食中毒の原因と種類について

衛生関連情報

食中毒とは

食中毒とは、食事によって引き起こされる健康問題の一つで、食品を通じて有害な微生物、毒素、または化学物質が体内に取り込まれることで発症します。食中毒の原因と種類を理解することは、予防と適切な対処の第一歩です。

主な原因

微生物による食中毒

細菌性食中毒
サルモネラ属菌、腸炎ビブリオ、病原大腸菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター・ジェジュニ/コリなどの細菌が食品に汚染されることで発症。食品の十分な加熱が必要です。
ウイルス性食中毒
ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスによって引き起こされる。生の食材や水源による感染が一般的です。

毒素による食中毒

ボツリヌス毒素
ボツリヌス菌によって生成され、食品中に存在すると危険。加熱不十分な食品による感染が知られています。
セレウス菌
セレウス菌(Bacillus cereus)は、食品中に存在する細菌で、特に米飯などの炭水化物を含む食品で増殖し、毒素を生成します。この毒素が食品中に存在し、感染者がそれを摂取することで食中毒が引き起こされます。セレウス菌による食中毒は、一般的に腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状を引き起こすことがあります。

化学物質による食中毒

農薬
野菜や果物に残留する農薬が摂取されることで食中毒が発生。
添加物
食品に添加される着色料や保存料が体内に有害な影響を及ぼすことがある。

症状

食中毒の症状は原因によって異なりますが、一般的な症状には以下が含まれます:

  • 腹痛
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 発熱
  • 頭痛
  • 虚脱感

食中毒の発生状況

厚生労働省発表の「食中毒統計資料」年次別食中毒発生状況を元にグラフを作成いたしました。

1981年以降の食中毒の発生件数と患者数の推移です。
1999年をピークに発生件数は減少傾向にあり、2009年以降は多少の増減はありますが、年間1,000件前後の発生件数となっています。
患者数は2000年移行は減少傾向にあり、昨年(2022年)の患者数は大幅に減少いたしました。

1975年以降の原因施設別の食中毒発生件数の推移です。
2000年前後は原因施設が不明の食中毒が50%前後と原因施設の特定ができない食中毒が半数を占めておりましたが、2009年(平成21年)以降は20%を下回りました。ここ数年のコロナ禍の影響で飲食店を原因とする食中毒が減少し、原因施設を不明とする食中毒が増加しました。

昭和50年(1975年)以降の原因物質別の食中毒発生件数の推移です。上が、原因物質を細菌、ウイルス、寄生虫、化学物質、自然毒、その他、不明に分類したグラフで、下が細菌、ウイルスのみ詳細な原因物質で分類したグラフとなります
平成25年から寄生虫を原因とする食虫毒の集計が始まり近年では食中毒の原因物質で一番多い原因となっております。
細菌、ウイルスを原因とする食中毒のうち、近年ではノロウイルスとカンピロバクターが70%以上を占めています。

予防と対処法

食中毒を予防するためには、食中毒予防3原則である、

『つけない!』『ふやさない!』『やっつける!』

が重要です。

以下のポイントに注意することが大切です:

『つけない!』

  • 手を洗う:食事の前、食材を触る前、トイレを使用後など、手を石けんと水でよく洗いましょう。手は食中毒の主要な感染源となり得るため、清潔な手を保つことが重要です。
  • 食材を洗う:魚や野菜、果物の表面に汚れや菌などがついている可能性がある為、調理前にしっかり洗いましょう。

『ふやさない!』

  • 食材の保管:調理した食事は適切な温度で保管し、急速な冷却や加熱を行って細菌の繁殖を防ぎます。
  • 生食の制限:生の肉、魚、卵、乳製品などは微生物のリスクが高いため、注意が必要です。
  • 食品の安全性:安全な食品を選び、消費期限を確認しましょう。

『やっつける!』

  • 食材の適切な調理:食材を十分に加熱して微生物を殺菌しましょう。
  • 調理器具と調理環境を清潔に保つ:まな板、包丁、調理器具などは食材ごとに清潔に保ち、交差汚染を防ぎましょう。

食中毒にかかった場合、適切な対処法が必要です。一般的な対処法には、水分補給、休息、適切な栄養摂取が含まれます。

食品を取り扱う方の手洗いについて

食品を取り扱う現場においては、従事者の手を介して食中毒の原因菌などが食品についてしまうことがあるため、「手洗い」が食中毒の予防や食材の安全性を確保するために不可欠です。手洗いによって、微生物や汚染物質が手から食材や調理器具への感染を防ぎ、食品の品質を維持します。

「食品衛生は、
手洗いに始まって、
手洗いに終わる。」

という言葉にもありますとおり、「食中毒の防止は手洗いから」となります。

そして、衛生的な手洗いを行った上で、手の乾燥と除菌をしっかりと行って下さい。
弊社のNEWスーパーMを使用すると、除菌と乾燥が短時間で行え、薬剤も不要なので手荒れの心配もありません。

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